人手不足が深刻化する日本の現場において、「特定技能」人材の存在がますます注目を集めている。
特に清掃業や外食業、宿泊業といったサービス業を中心に、国内労働力の確保が困難な分野で外国人材の採用が加速している。
2019年に創設された「特定技能」制度は、特定の業種で即戦力として働ける外国人に在留資格を認める制度であり、すでに多くの企業が導入を進めている。
清掃業では、オフィスビルや商業施設などの共用部を担当する清掃スタッフとしての受け入れが進み、外食業ではキッチン補助や接客、宿泊業では客室清掃やフロント業務への配属が増えている。
これらの人材のスムーズな受け入れには、「登録支援機関」の役割が不可欠だ。登録支援機関は、企業に代わり、外国人材の生活面や労務面を支える存在であり、住居の手配、生活オリエンテーション、日本語学習支援、定期的な相談対応、労働環境の確認などを行う。
制度上義務づけられた支援に加え、企業の要望に応じたカスタマイズ支援を行うことで、外国人材の定着率を高める重要な役割を担っている。
一方で、現場には課題も多い。言語や文化の違いによるコミュニケーションの難しさ、行政手続きの煩雑さ、定期的なモニタリングの負担など、企業単体では対応が難しい面も多いため、経験豊富な登録支援機関との連携が成功の鍵となる。
今後、特定技能制度の認知拡大と制度改善が進めば、さらに多くの企業が外国人材の採用に踏み出すと見られる。
現場に変化をもたらすこの制度は、日本の労働力不足解消と、グローバル化社会への適応に向けた大きな一歩として注目されている。